IGCC+CCS クリーンコール技術
石炭火力発電のクリーン化計画が米国・日本で始動し
商業化の動きも出てきている。
太陽光や風力など、そのもの自体がCO2を排出せず
しかも構造もシンプルな自然エネルギー発電に比べ、
石炭をガス化してCO2を分離・回収・運搬・貯蓄(利用)する
石炭火力は、技術的にもコスト的にも高いハードルがある。
それでも国を挙げたプロジェクトが組まれるのは
石炭の埋蔵量が残147年分もあり、
さらに世界中に分布しているため。
また価格変動も比較的少なく、安定した電源と
同等の付加価値を持っていること、などが理由にあげられる。
IGCC=石炭ガス化複合発電。
石炭をガス化し、ガスタービンと蒸気タービンの
2つを回す発電方式。
この複合発電(CC)は、天然ガス火力にも採用されている。
熱効率が高い(48縲鰀50%)、
つまり1kWhの電気を作るのに、より少ない石炭で済む*ため
その分CO2排出量排出が少ないのが特徴。
*平均的な石炭火力の熱効率…約39%
CCS= 炭素回収・貯蓄。
ガス化した石炭を燃やすことで排出されるCO2を回収し
老朽化した油田やガス田に閉じ込めるか、
原油増進回収法(EOR)などに利用すること。
EOR= 従来から利用されてきた、石油の3次回収技術。
油井から石油を取り続けるとやがて石油が自噴しなくなるため
残存する石油を底から押し出すために、
高圧のCO2を油井に注入する。
現状では、このEORのために人為的にCO2を作っている状況。
アメリカの動向
●エネルギー省(DOE)が補助金を出し
「FutureGen」「クリーン・コール・イニシアチブ(CCPI)」
の2つのスキームを動かしており、
世界初のIGCC+CCS の商業化を目指す。
●GEエナジーは2015年までに実証実験をし、
2020年までにレトロフィットによる商業化、
2025年までに完全商業化する、という青写真を発表。
日本の動向
●2007年度縲鰀
電力10社が出資する「クリーンコールパワー研究所」が
福島県いわき市でIGCC(出力25万kW)を実証運転中。
●2008年5月
電力や石油元売、エンジニアリング会社など計24社が出資して
コンソーシアム「日本CCS調査」を設立。
2009年度からCCSの大規模な実証試験をスタートする。
伝創社マーケティングチーム
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