企業経営におけるマーケティングの役割
企業は経営理念を中心概念にして存在するが
その存続のためには、収益を確保することが大前提にある。
そのために
市場環境の構造変化をいち早くキャッチしながら
企業の進むべき方向性を見出し
同時に自社の経営資源を踏まえて、
それを経営戦略・事業戦略へと落とし込んでいく。
この落とし込みの際に役割を果たすのが
マーケティングだ。
企業活動、つまり収益の源泉となるものは
顧客が買ってくれるその行為である。
つまり企業活動の原点にあるのは
顧客であり、
マーケティングは
顧客との接点となり
顧客の期待を明確にして
顧客ニーズの充足を保証するために、
生産や営業・開発・財務・人事などの各機能が
顧客の期待に応えられるように
戦略をもって統合していく役割を担う。
マーケティング戦略は
全社レベル、事業レベル、商品レベルに分類される。
そしてそれぞれの戦略レベルにおいて
「売れる仕組み」を追及していく。
ただしその戦略には
経営方針との一貫性(全社的な視点)だけでなく
事業部間・商品間での整合性があることが重要である。
例えばある1商品レベルのマーケティング戦略は
「誰に・何を・いくらで売るか。
それをどのように認知させて
どのような売り方で販売するか」
をトータルで考えていく。
しかし扱う商品数・カテゴリーが多い場合、
個々の商品レベルでいくら最適なマーケティング戦略を立てても
事業全体、あるいは企業全体で見たときに
機能の重複などのムダが生じていたり、
商品間や事業間の整合性がとれなくなったりしている場合がある。
そのため、ブランディングや全社最適の視点に立って
方針を決定したり、シナジーなどを考慮して
事業部間の調整をはかる必要が出てくる。
この役割を担うのが全社マーケティングである。
一方、事業マーケティングは
セグメンテーションやターゲティング、
ポジショニング、マーケティングミックスなどの
マーケティング戦略の根幹を担っている。
関連キーワード vol.56 マーケティング戦略の要素
vol.57 4つのP
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