2007年2月15日

【経済・企業経営】vol.10 三角合併

三角合併

株式交換を使った会社の買収方法の一形態で、M&A時の合併対価(消滅会社の株主への対価)として、存続会社の親会社の株式を交付する合併形態のこと。

外資系企業が日本に子会社を設立し日本企業を買収するケースや、持株会社形態を採用している会社のM&A等への利用が予測されている。
2007年5月に解禁予定。


[例]
外国企業A社が日本に100%子会社B社を設立して、B社が日本企業C社を吸収合併する場合。


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詳細

■解禁されるとどうなるか?

株価は安いが高度な技術力をもつなど魅力的な日本企業は、日本で事業展開を行いたい外国企業による買収の危機にさらされることになる。

したがって今後は、企業の質を高めて時価総額をすこしでも上げようとする大企業が増えてくると共に、金融・製薬・小売りなど、同業社同士の合併・再編は今後もつづくと予測される。

ターゲットになりやすいのは、
 ・株主に対して明確な成長戦略を提示できない会社。
 ・時価総額が低い会社。
 ・高くても一株当たりの株価収益率が低い会社 など。


参考

2006年の三菱商事と王子製紙による北越製紙を巡る争奪戦の背景には、この三角合併が絡んでいたとされている。

日本国内では、業界最大手の王子製紙と22位の日本製紙グループが大王製紙以下を突き放して2強。
僅差で国内シェアトップを争う王子製紙がさらに規模を大きくし、収益力を高める狙いだけではなかった。

いずれ解禁される三角合併によって、外国企業から買収されるのを防ぐために、少しでも時価総額を大きくし、買収されにくい会社規模にしておこうという狙いがあったのではないかといわれている。


株式交換
・ス・ス他の会社を吸収合併する場合に、現金を渡して買収したい会社の株式を買うのではなく、親会社となる会社の株式を渡して買収したい会社の株式を受け取る。その名のとおり、株式を交換することで他の会社を吸収合併する方法。1999年の商法改正によって国内企業同士に限って可能になった企業買収方法。



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