2010年11月5日

【経済・企業経営】 vol.646 バーチャルウォーター

バーチャルウォーター

仮想水。
食料を輸入している国(消費国)において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したもの。

ロンドン大学東洋アフリカ学科名誉教授のアンソニー・アラン氏が提唱。

元々は、中近東の様に一人当たりの水資源量が絶対的に少ない国々に関して、想定されるほどには水をめぐる国家間の争いが激化していない理由を説明するために利用されていた。

すなわち、大量の食糧を国外から輸入することにより、自国で生産した場合に比べて国内の水資源を節約できているので、食糧の輸入はvirtual water(仮想水)を輸入している様なものだ、とする考え方である。


例えば、1kgのトウモロコシを生産するには、灌漑用水として1,800リットルの水が必要である。牛はこうした穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kgを生産するには、その約20,000倍もの水が必要。

つまり日本は、海外から食料を輸入することによって、その生産に必要な分だけ自国の水を使わないで済んでいる。

言い換えれば、食料の輸入は、形を変えて水を輸入していることと考えることができる。





参考
 ●環境省「バーチャルウォーターとは」

 ●アンソニー・アラン氏原論文“Water Stress and Global Mitigation: Water, Food and Trade”

 ●「世界の水危機、日本の水問題」(東京大学生産技術研究所)

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