緊急時の広報対応
自社の新商品・新サービスのリリースやマスコミ対応だけでなく、会社に大きな損害を与える可能性のある事態に際しての危機対応、およびその事態に備えたリスク対策も、社会との窓口である広報部の重要な仕事である。
特に社会的に大きなダメージを与えかねない事態が起きた際には、対応内容の如何でその企業の真価が問われる(一歩対応を誤れば企業の社会的信用を失ってしまう)と言っても過言ではない。
日ごろからリスクマネジメントを行い、重大な事態が起こる可能性を事前に撤廃することが最も重要だが、それでも起きてしまった場合は事態への対策を迅速に講じ、さらに社会・マスコミに対して適時・適切な情報提供を行うことで、さらなるリスクを回避する必要がある(マスコミ対応の失敗によって「事故」を「事件」に変えない)。
平時/緊急時広報には、いくつか押さえておくべき要素がある。
それは主に、以下に絞られる。
平時
■自社および自社を取り巻く環境・業界動向・経済動向・社会の動きを把握しておくことで、客観性に富んだ情報基盤を構築
■普段から広報とトップとの連携を密にし、自社内外の状況を余さず共有・啓発
・ス・ストップの危機管理意識がその企業のコーポレートコミュニケーションの成否を決める)
■自社にとって何がリスクとなるのかの想定(洗い出し)と、それらリスクの度合いを分析し、リスク発生時の解決マニュアル・対マスコミ対策マニュアル(緊急記者会見のリハーサルも含む)を構築。
またその内容を定期的に検証して見直しを図りながら社会の変化に適合する内容へ常に改善を加えていく(リスクマネジメント)
■自社の経営理念・ミッションに即したわかりやすい企業メッセージ(キーワード)をつくる
■それを使って経営理念からブレない一貫した戦略的広報・広告を継続的に展開
■記者懇談会など日常の広報活動を通じてメディア関係者とこまめな交流を持ち、会社の経営や事業戦略への理解を図ると同時に、有事の際にも記者との親密な関係を構築できるよう、良好な関係を構築しておく ・・・など。
緊急時
■トップへの迅速な報告
→トップ主導による迅速な解決策決定・指示
→対策本部設置
→マスコミ対応方針決定
■対策本部で発生案件に関する様々な情報の集約・一元化をおこない、正しい情報を洗い出す
■早期解決のための施策の決定・実施
■同時に、緊急記者会見を開くか否かの決定
■実施する場合は、メディア対策資料を準備
・ス・ス踏まえるべきポイントは、下記参照)
■実施する場合はトップ主導による緊急記者会見の実施。
また開催の有無いずれにしても、明確であいまいさを残さない量および質の情報をスピーディに提供、誠意のある姿勢を伝える様々な施策を講じる。
■報道分析(モニタリング)
なおマスコミ対策資料をつくる際は、以下を踏まえる。
1.その事態が社会・経済へおよぼす影響と、それに対する会社としての問題意識・解決策を示せているか
・ス・スマスコミと、その向こう側にある社会の知りたがっていることは、企業の問題認識とその問題解決へ向けての真摯で熱意のある対応姿勢である
・ス・ス具体的な内容は、公表できる事実・それまでの経過・発生した事態の原因・今後の対策・その事件や事故への会社としての見解など)
2.マスコミに対して理解や協力を求める姿勢を示しているか
3.法令順守は当然として、その姿勢に社会の一員としての倫理観はあるか
4.透明性があり公平な内容を、スピーディに一気に(小出しにせず)公開する姿勢を伝えられているか
5.公表することと、公表しないこと(不確定情報やプライバシーにかかわる情報)の整理はついているか
6.緊急記者会見の場で最も重要視される「質疑応答」への想定問答集
・ス・スその前提として、記者が追及してくるポイントの理解)
7.以上の内容についての認識は、トップおよび広報担当全員の間で共有されているか(見解のすれ違いは新たな火種となる)
…など。
また、緊急記者会見の場でも様々なことに配慮する必要がある。
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