2008年2月5日

【経済・企業経営】 vol.168 モノライン・ショック

モノライン・ショック

米サブプライム住宅ローン問題で動揺が続く金融市場に、新たな金融打撃の可能性がでてきたこと。

サブプライム関連の証券化商品の信用を支えてきたモノラインと呼ばれる金融保証専門の保険会社が年明け相次いで格下げされ、それにより他の証券化商品や米地方債市場などにも混乱が広がる恐れが出てきたために、新たな金融収縮が連鎖的に発生する可能性が出てきた




補足

■モノライン保険会社とは

英訳monoline insurer。
直訳すると「単一(mono)の事業(line)をおこなう保険会社」の意。

一般の保険会社が自動車や火災、傷害など複数の保険を扱う(=マルチラインと呼ぶ)のに対し、金融債務のみを対象にした保証事業を手がける保険会社をモノラインと呼ぶ。
主なモノライン会社は、最大手のMBIA、アムバック・ファイナンシャル・グループ、ファイナンシャル・セキュリティ・アシュアランス、ファイナンシャル・ギャランティ・インシュランスなど。

モノラインは地方債を出す自治体や証券化商品を発行する金融機関から保証料を受け取り、債務不履行が生じた場合に元利払いを肩代わりする働きをする。

これまでは債券発行元の格付けが低めの場合も、格付けの高いモノラインの保証を得れば低い金利といった好条件で債券を発行できる利点があった。

しかしサブプライム関連の債務不履行が増え、それにともなってモノライン保険が債務を肩代わりして支払わなければならない事例が増えると資金不足が生じ、それによってまず中小のモノライン保険の信用力が低下して格下げされ、年明け以降その流れが大手モノライン会社にも波及し、大幅な格付け引き下げが起こっている。

モノラインの信用低下は、それが保証する金融商品の価格急落に拍車をかけるため、金融機関などの損失がさらに膨らむ懸念が高まっている。

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